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上海在住阿信さんの受講体験談

(阿信さんのブログ: 老同志は中国人 in 上海Ⅱ


 夫が中国人、中国在住という私の現状を聞くと、中国語学習者の多くは私を「日本で中国語を学ぶよりはるかに有利」「中国語が上手に話せる」と思うでしょう。しかしその実、私は結婚前に中国に住んだことはなく、結婚後に夫の仕事の都合で中国に転居、夫とは日本語で会話。学生時代の第二外国語で中国語を履修していたこと、義実家とのコミュニケーションのため少々の中国語会話はできるようになっており、中国転居当初、一通りの日常生活には困らない程度であったものの、中国生活につきもののトラブル、中国人との電話やショートメッセージなど、中国語ができないと生活に困る事態に直面。頼みの綱になる筈の夫は仕事が多忙で私のフォローができず。中国語ができればもっと生活がスムーズになるはずなのに!とイライラが募りました。中国に住んでいれば自然に中国語が身に付くなんて幻想なんだと気づき、このままではいけないと現地の大学に通学を考えるも、申し込みを済ませた時点で別の都市へ転勤決定・・・。新転地で更に多忙となった夫は家庭のフォローもできず、子供も幼かったため私の負担は重くなるばかり。大学はおろか語学学校への通学もままならないと感じ、「自己流でも続けていれば光が見えてくるはず」と基本的に自習と生活を通じての中国語学習を続け、中国在住2年目に新HSK5級の受験を決意しました。その試験対策として数か月間語学学校の講師に家庭教師で来てもらい勉強した結果、新HSK5級に合格しました。


 新HSK5級合格後、更に上の6級を目指すことにしたのですが、やはり最上級、とにかく過去問が難しく感じられました。何か私の中国語に根本的な何かが欠けていると感じ、一旦新HSK6級の試験対策勉強から離れてみて、今の自分の中国語に何が足りないか考えたところ、「聞き取り」や「発音」の問題に行きつきました。読解については辞書を手元に置けば大体理解できる、作文については特に中国人とのチャットではコミュニケーションにはほぼほぼ問題なし、でも会話は・・・テンポよく繰り出される中国語のシャワーにとりあえず笑って済ますという事態も多く、またいざ自分に会話がふられてもとっさに対応ができない、そもそもそれまでの会話内容を聞き取れない、答えても理解してもらえないという事態が頻発し、読み書きに比べ聞く、話すことの能力差を感じる日々でした。


 その問題解決の為に先ず中国人講師が在籍するオンラインレッスンを受講し、半分の時間をフリートーク、半分の時間をその教室で準備されている教材を朗読練習することにしました。講師が私の発音の間違いを指摘して訂正するものの、「どこをどうすればその音になるのか」がサッパリ不明でした。先生が「その音ではない。〇〇」と言うのでその音を発音したつもりで「〇〇」と繰り返すのですが「やっぱり違う」と。中国人講師の発音ですので標準そのもののきれいな発音なのですが、先生の発音コピーができない。一体どうしたら先生のような発音ができるのだろう??と非常にもやもやした気分のレッスンが続きました。フリートークについては夫が中国人であること、中国在住であることから話題は多く、話は弾みますが、その間文法や発音の間違いを指摘されることもなく。朗読のレッスンになると発音を間違えた時に講師がイライラしている事まで伝わる、でも根本的な改善につながらない・・・ということで悶々とした日々が続きました。

 

 そんな時にエビ先生の存在を知りました。中国語の発音方法をネット検索していた時に先生のHPに行きあたったのです。「中国語を話そう」と書いてあるそのページは「書いていることはもっともだけれど、この先生すごく厳しそう」と感じ、気になりつつも問い合わせを出そうか出さまいか実に半年くらい迷っていました。迷っている間、当時開設されていた先生のブログを読んだりして「今日は問い合わせをしてみるかな」「いや、今日はちょっとやめておこう・・・」の繰り返しでした。今思えば時間がもったいなかったです。


 そんなある日、中国人講師のオンラインレッスンを受け、いつものように「この音が違う」と言われ、こちらが発音するもなかなか正しい発音ができず、そのレッスン時間で読めた朗読分が数行しかないという日がありました。このオンラインレッスンを受けて半年余り。あまり上達を感じません。もうボロボロ&焦りの気分でいた私がまたエビ先生のHPに何かの答えがないかと見ていたら「発音ができない音は聞き取ることができない」という一文を見つけました。実に目から鱗。なるほどだから私のネックは会話なんだ。聞き取りと発音はリンクしているんだ、と。当時の迷える私には非常に腑に落ちました。やはりこの先生に教えてもらいたい、と。でもやはり先生のオンラインレッスンを受けるのは怖いので(笑)、まずは聴写専科を申し込むことにしました。恐る恐る問い合わせメールを送ると、1分程度の中国語音声が送られ「中国語を聞いた通り書き取ってください」と。力試しです。ナチュラルスピードの中国語音声の書き出しをそれまでしたことがない、後にその音源は聴写専科の中でも最も簡単というレベルだったと先生から聞きましたが、当時はそれこそ必死で聞き、書き取りをしました。大きな緊張と戸惑いを覚えつつも回答を返却すると「ようこそ聴写専科へ」というメールの返信が来、聴写専科を受講する運びとなりました。当時は週1回課題が送られてきたのですが、最初の半年はそれを仕上げるだけで大変でした。


 その後先生から音読会のお誘いをいただいたのですが、「全く発音に自信がないため参加できない」と返事をすると「ではオンラインレッスンを受講しませんか」という流れになってしまいました(当時の私としては正直な気持ちとして「なってしまった」と感じました)。 
最初のオンラインレッスンは音読会に参加していないため、聴写専科の文章を音読するというものでした。音声があるので事前に念入りに発音練習したつもりでいたものの、「ここの発音が正しくない」とたくさんたくさん指摘されました。「ああ・・・」と思ったものの、この先がこれまでの中国語の先生と違いました。先生はまず「4声は声の上下だけではなく、強弱がある」という今まで私が知らなかった事実をまず述べました。これは私にはまさに脳内に雷鳴轟くレベルの衝撃で「だから私の発音は中国語ぽくないんだ」と気づけました。また個別の発音についても「今舌の位置がずれてる。この発音は舌の先が下の歯茎の下に付くんですよ」、とか「今の発音、口の開け方が小さい」など、極めて具体的に発音のアドバイスをくれるのです。間違った発音をしていた時は何度でも訂正が入りますが、その都度口を、舌を、息を、具体的にどうすればいいのか事細かに教えてくれるので頭で納得して発音練習ができます。しかも非常に粘り強くできるまで何度でも付き合ってくれます。そして悲しいことに前のレッスンで指摘されて直っていないところがあっても、「ここがあなたの今の課題」と粘り強く矯正してくれます。始まる前にはとても怖がっていたエビ先生のオンラインレッスンでしたが、ここまで私のつたない発音にとことん付き合ってくれる先生はいないし、日本人の先生が母国語の日本語で繰り出してくるアドバイスが実に分かりやすい。正直ダメだしをたくさんされ、いつまでも苦手な発音練習をしなければならない状況は辛かったですが、絶対身になるという確信が持てたので継続をお願いしました。レッスン終了後はいつも口や舌がいつになく疲れた感じがするほどでした。いえ、レッスン受講当初はレッスンを控えた数日前から「ああ・・・レッスンが・・・あるぞ」と若干の心理的プレッシャーを感じていました。今思えば日本語と発音が全く異なる中国語の発音を成人年齢の日本人がものにするためにはそれこそ日本語の発音で凝り固まっている脳内言語環境を一掃しなければならず、あの程度のプレッシャーはあって然るべきと思っているくらいです。ちなみに今はとてもリラックスして週1回のレッスンをとても楽しみにしています。人間ここまで変わります。


 レッスンを受講して1年半ほど経過したときに、新HSK6級を受験したくなり語学学校へ3か月間通学しました。やはり文法がネックであったものの、対策講座の最後の頃になると、過去問を解くととりあえず6割の合格ラインに入るようにはなりました。このまま受験しようと思いましたが、事情により対策講座終了直後に受験はできず。数か月後、時間にゆとりができたので「受験を考えている」と先生に話した際、先生から言われた言葉が「今受験しない方がいい。合格はするだろうけれど、高得点で合格できないから。」でした。通常の中国語の先生は、生徒が何かしらの語学の資格に合格してくれればうれしいものだと思っていた私はここでもびっくり。今受けなければ語学学校の試験対策講座の効果が薄れるのではないかという焦りがあったものの、主婦生活をおくる私が新HSK6級受験を特に急ぐ理由もない。先生のアドバイスに従い、通常のオンラインレッスンの合間に新HSK6級対策として一番苦手な文法問題となかなか点が取れない作文についてのこれまた懇切丁寧な解説を受けました。その後過去問もすべてやり切り、エビ先生の新HSK6級対策は全終了しました。それでもまだすぐに受けなくていいという先生の意見に従い、新HSK6級の勉強から一旦離れました。


 オンラインレッスンの最大のメリットは「いつでも」「どこでも」受けられることです。私はこのメリットを最大限生かしました。中国生活がメインではあるものの、日本へ一時帰国するときもあります。そんなときでも週1回のレッスンのペースはネット環境+端末があれば維持可能。また、中国で妊娠・出産があったものの、出産前後1か月程度の休みをはさみつつ復帰。赤ちゃんがぐずるかも・・・という心配にも先生は「全く気にしません」と。ならば受けさせてもらいます!これもオンラインレッスンのいいところです。ぐずる赤ちゃんを抱っこしたり寝かしつけしたりしながらレッスンを受講し続けました。中国語学習が育児に追われる生活の中の息抜きになりました。
時系列的には話が前後しますが、新HSK6級の試験対策から一旦離れ、次に何をしよう、という流れになった際に、以前自分が自信がないと言って断った音読会の参加を再度声掛けされました。一度断ってから1年ほど経っていたと思います。エビ先生のオンラインレッスンの受講も回を重ねており、発音も一定レベルになっていると自信があった為、今回は参加をすることに決めました。音読会は10日に1回の頻度で送られてくる文章を読み上げ、自分の音声を録音します。その録音音声をオンラインレッスンでエビ先生と共に聞き、間違えている個所を指摘、発音練習という流れです。最初は中国語の発音よりも自分の声を自分で聞かなければならない、ましてや外国語の音声を・・・とそちらの方が恥ずかしく戦々恐々としていましたが、今ではすっかり慣れました。また音読会に参加してから中国語の発音にキレが生まれ、エビ先生からも「うまいですよ」と言われることが増えました。エビ先生からこの言葉を聞ける日が来るとは当初は考えられなかったことです。音読会の録音も訂正が数か所、ひいては訂正なしの回もあるようになりました。その頃から中国人との会話でも怪訝な顔をされることが少なくなり、言いたいことも伝わることが多くなりました。もう中国人からの電話も緊張しませんし、相手の言っている事が聞き取れ、自分の応答もちゃんと理解してもらえます。中国語学習における音読の大切さ、手ごたえを十分かつ存分に感じました。余談ですが今では音読の効果を更に感じたく、自分でもっと練習したくなり、中国語学習者有志に声掛けして中国語朗読会を自分で作るまでになりました。


 週1回のオンラインレッスン、10日に1回の音読会聴写専科の課題に取り組む学習ペースが続いたある日、出産後のバタバタもひと落ち着きしたタイミングで新HSK6級の受験申し込みをする事に決めました。今回はエビ先生も「今だったら高得点で合格できるでしょう」と言ってくれたので、きっといけると期待しました。試験対策は試験直前1週間前から試験当日まで最新の過去問を解くことにしました。ちょうど直前対策にかかろうというタイミングで夫の入院手術がありました。折り悪く受験日は退院しているかどうか分かりません。受験キャンセルも考えましたが何とか周りのサポートを借りて受験はできることに。ただこの精神状態、忙しさの中での受験、大丈夫だろうか・・・と不安の中、最新の過去問題集に手を入れました。すると・・・一番ネックだった最初の文法問題が「あ、これだ」と解答がすぐ分かります。続く長文穴埋めや読解も以前よりもずっとスルスルと解けている自分に気づきました。「??これで合っているの?」と解答を見ると合っている。「もしかして私、易しすぎる変な過去問集を買ってしまったかな。本番でもっと難しかったらまずい。」そう思えるほどの高正答率です。リスニングも合格ラインを下回ることはなし。大体8~9割は正解しています。「大丈夫?でも今更新しい問題集を探して解く暇もないし、このままいくしかない。」まさに狐につままれたような気持ちで子供たちが寝た時間に対策勉強をし、一晩に1回分のペースで模擬試験を解いていきました。相変わらず出来は8,9割です。そして試験当日。「本番試験の難易度は一体どうなんだろう?もっと難しかったらまずい。」と思って試験に臨みましたが、直前対策のレベルそのまま。わぁ、やった、これはいけると嬉しくなり解答を進めました。試験が終わった帰り道、これまでの学習を振り返る中で感じました。試験対策に特化して取り組まなくても、エビ先生のレッスンを継続していたから自然と中国語の力がついていたんだと。最初は解答するのに必死だった過去問もいつの間にか簡単に感じられるレベルになっていた、そのエビ先生の指導力に感嘆&感謝でした。


 15日後に試験結果が出ました。リスニング81点、リーディング94点、作文85点、合計257点でした。エビ先生が言っていた高得点です。HSKの配点は各パート約100点、各2点と言われています(多少前後あり)。苦手な文法問題は計20問。そのうち10問は試験対策を始めたばかりの頃はまったく訳が分からず、運よく数問合っていればいい方、果てには捨ててもいいじゃないかと言われて私もそう思いかけてもいた時期があった位苦手な問題だったのですが、この計算でいくとリーディング部門の失点は6点で間違えは3問だけ!リーディングは日本人にとって高得点がとりやすいパートと言われているとはいえ、非常にうれしい。うれしくてエビ先生に試験結果と指導のお礼を伝えたところ、「あなたが頑張ったのです」と返信が来ました。


 新HSK6級合格を果たしたものの、中国語の世界はまだまだ深く、学ぶことはたくさんあります。5級を合格したのに、最上級を受けていないモヤモヤが若干あったので、これが解消でき、しかも高得点での合格。今は実にスッキリとした気分で中国語の学習に臨めています。エビ先生のレッスンには決まったテキスト等はなく、その時その時の生徒さんの悩みや志向に合わせてすべきことを柔軟に組み立ててくれるため、試験が合格したので終わり、というわけではありません。生徒さんが継続を希望する限り勉強は続きます。私も中国人との会話で顔はニコニコ、心はモヤモヤという場面、まだまだあります。私が中国語で答え、相手は納得した表情を見せてはいるものの、もっと突っ込んだ話をしたい、そんな気持ちになることもしばしばです。その願望を叶えてくれるのがエビ先生の指導力だと信じています。現在エビ先生のオンラインレッスンでは音読会の和訳&発音練習と聴写の課題添削に取り組んでいます。目下の私の目標は音読会と聴写の課題を過去分含め全てやり尽くすことです。私たち家族の中国生活はまだまだ続きます。二つの課題が終了した先に獲得した中国語力で聞く、見る、感じる、そして中国人との交流を通じて理解する中国はどんな世界なのか、が今の私の一番の楽しみです。


 今この体験記を読んでいる方でかつての私のように中国語を学びたい、今の自分の中国語に問題点を感じている、一向に伸びない、そんな悩みを抱えていて、でもこのHPを見て先生が厳しそう・・・としり込みしている、そんな方がいたら言いたい、迷っているその時間が本当に勿体ないです。先生の中国語指導力は本物、かつ生徒さんの中国語がどうやったら伸びるかと常に真剣に考えていてくれています。こんな先生はなかなかいません。昨今の各種習い事の指導スタイルには珍しく確かに厳しいですが、その中には生徒さんの中国語を何とか伸ばしたいという熱い気持ちが根底に、確かにあるのです。それが感じられるからこそ私はエビ先生のレッスンを受け続けています。あなたはこんな長い長い体験記を最後まで読んだんです。きっとあなたの中国語学習への気持ちは本物なんだと思います。ぜひ一歩を踏み出して先生に問い合わせメールを出してみてください。

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